【環境】睡眠トラブルを防ぐ、快適な室温
こんにちは。
ねんねbaby支援室、妊婦と子どもの睡眠コンサルタント
小笠原サクラです。
暑くなってきましたね。
頭がびちょびちょになるほど汗をかきながら公園で遊んでいる子を
見かける季節です。
今日は、「赤ちゃんの寝室の適温」についてお伝えします。
<赤ちゃんにとって快適な寝室環境>
- 室温:20~22度
- 湿度:40~60%
- 服装:長袖+長ズボン(低月齢では+おくるみ)
- 布団:掛布団なし
- 目安:汗をかいていたら暑すぎ。手足の指先・お腹など胴体が冷えていたら、寒すぎ。
大人は24度前後が快適な温度と言われているので、少し涼しい方が子どもは快適だと感じます。
これからの夏の季節、エアコンで20~22度というと、かなり冷えますよね。
その場合、25~26度設定で、半そで+半ズボンでもOKです。
汗をかいていたら暑すぎています。腕など出ている部分の表皮が冷えていても、
体の中心、手足の先が暖かければ大丈夫です。
寝かしつけに時間がかかる・夜泣き・早朝起きの原因が、「暑い」ことだったのは、
この時期よく起こります。
服を薄くする、エアコンを少し下げるだけで、よく眠れるようになったケースは多くあります。
「大人が肌寒く感じる程度」を目安に、環境を整えてみてください!
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【参考】子どもは暑さに弱い理由 = 体温調節が未熟だから!
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それは子どもの体温調節の仕組みを知ると、理解できます!
<そもそも体温調節って何?>
体温調節の方法は主に2つ。
①非蒸発性熱放散
皮膚表面から、空気を伝って放熱されること。
例えば…
【冬】皮膚に接する空気の温度が低いほど、皮膚表面から空気へ伝わる熱が多くなる。(=体温低下)
【夏】空気の温度が皮膚の温度より高い場合、外気温が35度以上だと、熱が体に流れ込む(=体温上昇)
②蒸発性熱放散(発汗)
皮膚表面から汗が蒸発することで放熱されることで、皮膚の温度を低下させる。
真夏では①非蒸発性熱放散がうまく機能しなくても、発汗することで、体温を維持することができる。
この2つの機能で、人間は体温調節をしています。
<子どもの体温調節の特徴>
①子どもは、体表面積が広いので、皮膚表面から多く熱放散している。
子どもは大人よりも、産熱量に対して体表面積(=放熱面積)が広い。
そのため、熱しやすく冷めやすい特性がある。
②子どもは発汗機能が未熟。汗での体温調節は苦手。
大人よりも発汗量が少ない。
・・・・
ということは、
暑い場所においては、皮膚表面からの放熱ができなくなります。
すると、汗のみでの体温調節を行なうことになりますが、
子どもは発汗機能が未熟なので、体温調節が上手くできません!
また夏だけでなく冬でも、衣服の着せ過ぎで放熱障害を招き、放熱した熱で衣服内が高温多湿になり、
赤ちゃんを高体温にさせることが分かっています。
また。うつ伏せでも、衣服内温度が上昇して、高体温になりやすくなります。
赤ちゃんが高体温になると、呼吸運動が抑制され、肺換気量が減少してしまうため、
着せ過ぎ・うつ伏せ寝が乳幼児突然死症候群(SIDS)を招く可能性があるのです。
これらのことから、乳幼児は体温調整が苦手なので、
夏はもちろん、冬でも暑くなりすぎないような注意が必要です!
<参考文献>
環境温度が赤ちゃんの体温調節機能に及ぼす影響について
ー赤ちゃんを発達障害・SIDSから守るためにー(久保田 2005)
http://www.s-kubota.net/images/sids_baby.pdf
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data0/publish/pdf/guidebook_part4.pdf